ブログ - 20190815のエントリ

チラリズムの美学。

カテゴリ : 
日記
執筆 : 
nakamura 2019-8-15 21:48

  情欲とは不思議な現象である。目で見て判断し、感じれば脳に伝えて、興奮を下腹部に伝達する。簡単に述べるとこんな順序に従って装置が作動するのであるが、どんなことに興奮するかは微妙である。性器や乳房を見て、あるいは体臭を感じ取って興奮するのであれば単純な動物的原理であるが、人間の場合は少し異なる。肩から食み出たブラジャーの細い紐、尻に浮き上がったビキニ・パンティのライン、スカートに包まれた臀部の肉感、それに少し前まではスカートの裾から覗く下着(シミチョローシュミーズのレース模様)、スカートの真ん中から顔を出すパンティ・恥部などであり、女の場合だって、浴衣姿の男の臀部に括られた帯であったり、ビキニ・パンツであったり、勃起したペニスであったり、男の場合と変わりはしない。

 ただ、フェティシズムやチラリズムになると高度な感性に変わり、芸術家の感性に近づいてくる。故意や見よがしぶりなしぐさであっては効果が薄れる。うっかりと覗いてしまったことは日常の言動の中であっても驚き以上の効果を生み出す。先日、ある会合の時、終わって帰ろうとすると、女が畳の上り口に屈んでいた。後ろに立っていると、尻のベルトから、黒いレース状のパンティの紐が見え、驚いて見入っていたことがあった。パンティをはいている体を想像し、興奮してしまった。

 レースのシュミーズをファッションにしたスカートも一時、流行ったが、わたしはまったく興奮しなかった。見てくれ、のポーズであったからだ。やはり、何気なく、ついうっかり見せてしまった時の効果の方が

強いのである。ちょとだけよ、と言わんばかりの露出が良いのである。

 小説や絵画においても、醜悪感に転じるような部分は料理の薬味のように少ししか出さない。それは少しでだけで十分な効果を出し、鑑賞者に訴える力を持っているからである。その意味でチラリズムを味あうも者、また、それで誘惑しようとする者は芸術的感性を持っていると言える。

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